創造論に関するQ&A

「進化論と創造論〜科学と疑似科学の違い〜」(http://members.jcom.home.ne.jp/ natrom/)の発言には、応じることすらはばかられるのですが、グーグルで「創造論」を入力すると3番目の検索結果として出てくるので、ある程度人気が出ていることが分かります。(リンクが多いほど検索結果の上にくることから)
日本の学生は議論の仕方をあまり教わらないようですので、ある程度は仕方がないのかもしれませんがNatromさんの議論は迷論に満ちており、事実ではなく意見で支えられています。どの議論を評価しても、まず「これは事実か意見か」を考えなければなりません。例えば、次の二つの文章を考えてみて下さい。
その部屋は大きいです。
その部屋は30平方メートルです。
前者は事実ではなく、意見です。「大きい」という言葉の解釈は人それぞれだからです。後者は事実です。嘘かもしれませんが情報は事実として提供されています。

それでは、「現在、創造論を科学的な仮説として支持する科学者はいません。」は事実でしょうか。それとも意見でしょうか。明らかに意見だということが分かると思いますが、事実と意見の違いをよく考えながら議論を評価する必要があります。

それではNatromさんのQ&Aの反論をしましょう。

創造論って何ですか?
創造論は創造者が誰であるか、またどのように創造したかには触れないのです。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教などの信者のほとんどは創造論者です。特定の宗教を持っていない有神論者のなかでも創造論を信じている人がいます。Natromさんが使っている定義は聖書に基づいた創造論に対するものだと思われます。

創世記によると、創造主はすべての生き物を種類にしたがって創造しました。よって創造論者は創造主がすべての「種」をそれぞれ作ったと信じているわけではありません。事実、創造論者は、今日見られる多様な生物がノアの大洪水の後に起こった迅速適応(種分化)によってできたと考えています。創世記にある「種類」という言葉は現在ある科学用語には一致しません。例え現在子孫を残せなくても過去に2匹の動物が子孫を残せたのであれば同じ種類だということになります。例えば、すべての犬は創造主が最初に作った2匹(雄と雌)の犬からきています。聖書の犬の種類には間違いなく狼が含まれていますがおそらくディンゴや狐も含まれているでしょう。

創造論者はダーウィンの進化論が学会で公式に否定されたと主張していますか?
シカゴ会議でダーウィンの進化論が否定されたという言い方は過言かもしれません。ただ、これは創造論者たちだけが言っていたことではありません。進化論者も口にしていたものです。ダーウィンの進化論は小さな変化と自然選択によって単細胞生物が人間に進化してきたというものです。シカゴ会議ではこれだけでは足りないということに合意がなされました。つまり、ダーウィンは間違っていました。あいにく進化論自体(すなわち「単細胞生物が長時間かけてさまざまな生物に変化する」という説)が間違いだという結論にはいたりませんでしたが、ダーウィンの進化論だけで現在ある多様性を説明することはできないということが発表されました。

サイエンス誌はシカゴ会議の参加者の結論について次のように述べています。(vol. 210 pg. 883-887)
"The central question of the Chicago Conference was whether the mechanisms of microevolution could be extrapolated to explain the phenomenon of macroevolution. At the expense of doing violence to the positions of some people at the meeting, the answer can be given as a clear NO."
「シカゴ会議の核心となる議題は、大進化の現象を小進化のメカニズムから推定して説明できるかということであった。一部の参加者の意見を否定するという犠牲を払うが、その結論はきっぱりとできないということである。」

しかし、現在の代表的な進化論はダーウィンの進化論をベースにしているので否定されたとは言えないと思います。

創造論者は進化論者の自然選択説に対するコメントを引用してその科学者が進化論に反対しているように見せかけているでしょうか?
不適切に引用して科学者が進化論に反対しているように主張している創造論者など聞いたことがありません。創造論者は自然選択(自然淘汰)が起こっていることを否定していない(むしろ、自然選択を創造論の証拠として使っている)のでNatromさんが具体的に何のことを指しているかはわかりません。

偶然の積み重ねでは、進化は確率論的に説明がつきますか?
「自然選択は偶然であるとは言っていません」とありますが、それでは進化は意図的に起こっているのでしょうか。計画があって起こっているのでしょうか。誰の意図でまた誰の計画によって起こっているのでしょうか。進化は偶然であると進化論者が主張していると思います。しかし、すべての生物が偶然に単細胞から進化してきたという確率はゼロに近いです。何億年を仮定しても無理です。例えば、200のアミノ酸で構成されているプロテインを偶然に正しい順序で作られる確率は10260に1回ですが、統計学者たちの間では、1050 に1回より少ない確率のものは起こりえないと言われています。

進化は熱力学第二法則に反しているので間違いではないでしょうか?
進化論は明らかに熱力学の第二法則に反しています。地球が開放系だと主張する進化論者は論点をずらしているだけです。
生きた植物を死んだ植物と比べてみて下さい。ただエネルギーを加えるだけで、完全に死んだ植物を生き返らせることができるでしょうか。

死んだ植物も生きた植物と同じ基本的な構造を持っています。それはかつて太陽のエネルギーを使って一時的に秩序を増加させ、茎、葉、根や花を全て一粒の種から作り、育てていたのです。

もし宇宙に働いている強力な進化の力が本当にあるのなら、そして、もし地球が解放系であるという点だけが違うというのなら、なぜ太陽のエネルギーが、完全に死んだ植物を再び生き返らせることができないのでしょうか。

死んだ植物が太陽からエネルギーを受け取ると実際はどうなるのでしょうか。植物の内部の秩序は減少し、その機構は崩壊し、最小の構成要素へと分解されてしまいます。太陽の熱はただ分解の過程を速めるだけです。 1
ただ熱力学を深く勉強していない人が言っているだけだということではありません。イギリスのリーズ大学の熱力学の教授であるアンディー・マッキントッシュ博士は熱力学の法則により進化論が否定されると主張しています。
参照: 熱力学第二法則:批判者への答え

創造論者は進化の証拠が化石だけだと出張していますか?
このことを言っている創造論者の意見を聞いたことがありません。この議論の仕方は「ストローマン」というものです。ストローマン (straw-man)とは、議論において対抗する者の意見を歪めて、それに基づいて反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の存在自体を指すものです。語源は仕立て上げられた架空の存在を藁人形に見立てたことからきています。2

創造論者は進化が実験で再現できないから科学ではないと言っていますか?
実験で再現できないから科学ではないと言っている創造論者の名前を是非教えていただきたいと思います。進化論も創造論も犯罪科学のような歴史科学です。実験科学ではありません。創造論者が言っているのは、創造は実験室で再現できないから科学ではないというのであれば進化論も科学ではないということです。

進化論は反証可能でしょうか?
カンブリア紀の地層から突如として化石が見つかるようになることについては、現時点ではまだ説明がついていない。……この点はここで論じた進化論の考え方に対する有力な反証となりうる。
──チャールズ・ダーウィン『種の起源』
(最終第六版、一八七二年)

実際には反証不可能です。ダーウィン自身がカンブリア爆発が自分の進化論に反する証拠であると言いました。彼は時間が経てば中間生物が見つかると信じていましたが、未だにそれは見つかっていないから「断続平衡説」という説が出てきました。ダーウィンが信じていたのは「漸進主義」です。これで中間生物が見つからなければ「断続平衡説」が正しく、見つかれば「漸進主義」が正しいということになります。進化論はどの場合にも対応できるように作られたずるい仮説です。

また、ダーウィンはもし完全に利他的行動(自分に利益がなくても他人の利益を図ること)が見つかれば進化論が間違いであると言いました。タンポポは花蜜を作り昆虫に益を与えているが、タンポポ自身は無性生殖植物ですのでその花蜜は自分には何の益もありません。しかし、これは反証にはなりません。なぜなら進化論者は何の証拠もなく「タンポポは昔、有性生殖植物だった」というからです。3

進化が正しいとすると、神はいないのでしょうか?
全宇宙が偶然にビッグバンから始まって全ての生命が偶然に進化してきたのであれば神がいないか、あるいはいてもいないことと一緒であるかのどちらかです。

創造論はオカルトではありません。創造論とオカルトの区別がつかないのですか?
これはNatromさんの答えを使って「進化」と「創造」を入れ替えて見ましょう。
このサイトで進化論と低級なオカルトがごっちゃになっているように見 えるとしたら、まさに(進化論そのものではなく)進化科学が低級オカルト的な要素を持っているからです。例えば、間違った知識で定説を否定すること、無知 から強引なこじつけを行うことなどです。このサイトでは進化論が間違いであると言っているのではなく、「進化論は科学的にも正しい」「創造論は科学的にも 正しくない」という主張が間違っていると言っているのです。ニセの証拠を挙げてまで進化論をむりやり科学の一分野にしようする輩は、あたかも進化論が低級 なオカルトの一つであるかのような印象を与えるので、真摯な創造論者にとっても有害であると思うのですが。
最初に言っていた意見か事実かの長い例なのですが意見に過ぎないことがおわかりでしょう。

ニセの証拠なら進化論者はプロです。「ヘッケルは"適者生存"を支持せず、ラマルキズムのいわゆる用不用説を信じていた。間違った理論を守るやり方の最たるものとして、彼は幾つかの論文に改ざんしたデータを使ったことを見つけられている。最も有名なのは、彼の描いた胎児に関する図がそれで、同時代の人間にすら知られていたことであるが、別種のものでも胎児の間には類似性があることを強調するために、故意にゆがめた図が示されている。」4
ピルトダウン人は捏造された偽造化石として有名です。5 

もっと最近の話ではアルカエオラプトルがあります。

「ミクロラプトルの最初の標本は、1999年に、鳥類に非常に近い、羽毛を持った新種の恐竜アルカエオラプトル Archaeoraptor liaoningensis としてナショナルジオグラフィック誌 上で記載された。復元標本が表紙を飾ったこともあり、短期間でこの恐竜は有名になった。だが、その後、アルカエオラプトルの原記載標本は、2種類の動物の 化石を組み合わせた「合成化石」であることが明らかになり、2000年に、もとアルカエオラプトルの標本の頭骨、上半身および下半身の一部分が、あらため てドロマエオサウルス科の新属新種ミクロラプトル・チャオイアヌス Microraptor zhaoianus として記載しなおされた。」6 

進化論が事実であるとすれば中間型の生物が化石や現在の地球上にみつかるのでは?(始祖鳥とカモノハシは中間型の生物でしょうか。)
ノースキャロライナ大学のアラン・フェデゥチアは世界的に鳥の専門家として知られており、進化論者です。彼は始祖鳥について次のように述べています。
「古生物学者たちは始祖鳥について空を飛ばない羽を持った恐竜に変身させようとしていますが恐竜ではありません。始祖鳥は鳥です。木にとまる鳥です。古生物学用語をべらべら並べてもそれに変わりはありません。」

始祖鳥は唯一歯を持った鳥の化石ではありません。ある鳥の化石には歯がありましたがある鳥の化石にはありませんでした。しかし、多くの爬虫類には歯がないのに、ある鳥に歯があるからと言って爬虫類に関係があると主張できるでしょうか。唯一必ず発達した歯を持っている爬虫類はワニのみです。そして哺乳類の中にも歯があるものと歯がないものがいます。

カモノハシはどうでしょうか。この哺乳類には鴨のようなくちばし、ビーバーのような尻尾、カワウソのような水かきのある足、熊のような毛、爬虫類のような爪があります。亀のように産卵し、哺乳類のように哺乳します。電気的刺激を使って食べ物を検出でき、うさぎのように巣穴を作ります。こんなごちゃまぜになっている動物は進化の証拠ではなく、進化論者を困らせる動物です。何かから進化してきたわけでもありませんし、現在何かに進化している途中でもありません。

創造論者は環境適用を理解していないでしょうか。(猿より優れているはずの原人が絶滅したのに、猿が生き残っているのはおかしいのではないでしょうか?)
生物が環境に適応するということがわかっていない創造論を信じている科学者のことを聞いたことがありません。自然選択により、ある生物がある環境で強く、ある環境で弱いことは単純な概念です。Natromさんはストローマンを使う名人のようです。

突然変異の中には有益なものがありますでしょうか。
Natromさんがまた創造論者の議論を誤って述べています。問題は新しい特徴ではなく新しい遺伝情報です。抗生物質に耐性を持つという細菌の性質は新しい情報によるものではありません。そのようなことは今のところ一切観察されていません。情報の損失による耐性の例はいくつかあります。有益な新しい特徴は遺伝情報の損失によって稀に起こります。例えば、大陸に住んでいる羽を持ったカブトムシがいます。しかし、島に住んでいるカブトムシには羽がありません。これは突然変異によって羽がなくなりました。大陸では羽を持っていないカブトムシは鳥などに食べられてしまうので自然選択でいなくなります。しかし、風の強い島では羽を持つカブトムシはよく海に飛ばされて死んでしまうのですが、突然変異で羽がなくなったカブトムシは風に飛ばされないので自然選択で生き残ります。情報を失うことによって単細胞から人間に進化することはありえません。これに必要なのは新しい有効な情報を作る突然変異です。しかし残念ながらこのような突然変異は一切観察されていません。

創世記にある創造の順番が進化論とあっていますか。
まったくあっていません。あっていると思う方はいるかもしれませんが深く研究していないだけでしょう。

創造論を科学的な仮説として支持する科学者はいないと進化論者が主張しますがこれは正しいでしょうか。
これは「手前勝手な議論(special pleading)」の定義そのものですがこの主張は本当でしょうか。惑星運動の法則を発見したケプラーはいかがでしょうか。光と電磁波を律則する4つの基本方程式を発見したマクスウェルはいかがでしょうか。この二人は聖書を信じていました。皆さんはニュートンのことをご存知だと思いますが、ニュートンは科学より聖書について多く書いたということは聞いたことがありますでしょうか。

今日も進化論を否定し創造論を信じている科学者はたくさんいます。ラス・ハンフリーズは博士号を持った原子核物理学者です。彼は惑星磁場計算をするためのモデルを作り、それによって外の惑星の磁場を予測することができました。聖書を信じていることは彼の研究を妨害したでしょうか。いいえ、その反対です。これらの予測ができたのは聖書に基づいた原則を使ったからです。ジョン・ボムガーデナーは博士号を持っている地球物理学者で創造論を信じています。彼はネイチャー誌に取り上げられたプレート・テクトニクスのモデルを作りました。このモデルはノアの洪水に基づいています。

磁気共鳴断層撮影は多くの人を助けています。この機械は創造論者であるレイモンド・ダマディアンによって開発されました。

創造論を科学的な仮説として支持する科学者は実際にいるということがわかっていただけたと思います。創造主が自然の法則を創造したからこそ私たちが科学を実践することができます。

進化のメカニズムに意見の不一致があるのなら、やっぱり進化が起こったことは怪しいのではないですか?
意見の不一致は仕方がないのですが、多くの場合はこれはまったく反対の意見です。鳥が爬虫類から進化してきたか、爬虫類が鳥から進化してきたはまだ議論されています。どのような化石がでても進化論が正しいということになります。進化論はどの場合にも対応できるように作られたずるい仮説です。

しかるべき根拠を示すことができれば、科学雑誌は論文を掲載するでしょうか。
ロバート・ジェントリーは創造論者であることが知られたらすぐにオークリッジ国立研究所を解雇されました。その前にたくさんの科学雑誌に論文を載せていました。現在はまだ論文を出していますが数が減りました。最近イギリスのリーズ大学の熱力学教授のアンディー・マッキントッシュは熱力学が進化論を否定していると主張しました。リーズ大学が大学のホームページに「マッキントッシュ教授の個人的な考えは彼の研究と授業には関係ありません。本大学は進化論を支持しています。」というような免責条項を載せました。それを読んだリチャード・ドーキンズという有名な進化論者は「それだけで済むことでしょうか」と自分のブログで言っていました。詳しくは言っていなかったのですがこれは「辞めさせろ」という意味でしょう。偏りが創造論者の頭でしか存在しないという進化論者は嘘を言っているか、あるいは本当に無知なだけです。

進化も創造もどちらも一理ある。両論並列ではいけないのか?
創造論者として私はもちろん両論並列で教えるべきだと思っています。学生たちはどちらが正しいか自分で判断できるでしょう。しかし、少なくとも進化論の問題点を指摘し、進化論の証拠として使われている偽造は教科書から取り除かれるべきです。オオシモフリエダシャクの偽造写真、ヘッケルの用不用説などの偽造証拠は科学の授業では場違いです。しかし残念ながら進化論者はそれらの嘘を教科書から取る気もないようです。

参照

1. 熱力学第二法則ーこの自然界の基本法則は生命の進化を妨げたのではないのでしょうか。
2. ウィキペディア - ストローマン
3. Evolution of Sexual Reproduction
4. ウィキペディア - エルンスト・ヘッケル
5. ウィキペディア - ピルトダウン人
6. ウィキペディア - ミクロラプトル